インフルエンザ脳症の症状と原因とは?疑われる時の対応について

今年もインフルエンザが流行する時期となりましたね。

みなさんは「インフルエンザ脳症」というものをご存知でしょうか?
インフルエンザの合併症の一つで、特に小児がなりやすく、重症化すると死に至る危険性もあります。

小さなお子さんがいる親御さんは心配になってしまいますよね。

そこで、インフルエンザ脳症の症状とその原因、
インフルエンザ脳症かな?と思った時の対応についてご説明していきたいと思います。

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インフルエンザ脳症の症状は?

インフルエンザをはじめ、みずぼうそう(水痘)、はしか(麻疹)などのウィルスに感染しても、ほとんどの場合は何の後遺症もなく数日で治ってしまいます。

しかし、何らかの原因で脳や神経に合併症を生じ、意識障害やけいれんなどの症状が出る場合があります。
これが脳炎、脳症と呼ばれるものです。

ここで、「脳炎」と「脳症」の違いについて見ていきましょう。

脳炎
ウィルスが脳に直接入って増殖し、炎症を起こすものです。
神経細胞がウィルスによって直接破壊され、炎症反応が起きて脳がはれ上がります。

脳症
脳の中にウィルスも炎症細胞も見当たりませんが、脳が腫れて頭の中の圧力が高くなってしまいます。
これが原因で脳全体の機能が低下して意識障害を起こします。

『インフルエンザ脳症』とは、インフルエンザに感染することがきっかけで生じた脳症です。

ほかのウィルス感染によるものよりも、インフルエンザでは脳症が起きやすいので、このような呼び名で呼ばれます。

インフルエンザ脳症の特徴としては、以下のようなものがあげられます。

■インフルエンザ流行の規模が大きいほどインフルエンザ脳症の発症数が増える。(特に香港A型)
■主に6歳以下の子供が発症し、神経症状がでるまでの期間は、発熱から数時間~1日程度。
■主な症状は、けいれん、急速に進行する意識障害、意味不明な言動がある。
■死亡率は約30%。約25%の子供には後遺症が残る。
■日本での発生例が多く、欧米などでの報告は稀。
■一年に100~300人の子供がインフルエンザ脳症にかかる。

インフルエンザ脳症の原因とは?

ウィルスに感染した体の中では、いったいどんなことが起こっているのでしょうか?

ウィルスが体に入ると、炎症反応がおこります。発熱や咳・痰といった症状が起きるかと思いますが、これは熱によりウィルスを殺したり、咳や痰によってウィルスを体の外に追い出す役割を持っています。

血液の中でも反応が起こっています。

炎症反応が起きたとき活躍するのは白血球と呼ばれる細胞で、白血球の種類としては顆粒球、マクロファージ、Tリンパ球、Bリンパ球などがあり、それぞれ役割が違います。

この役割を連絡するのが『炎症性サイトカイン』と呼ばれる物質です。

インフルエンザではこの炎症性サイトカインが大量に分泌され、高熱がでたり、強い炎症反応が起きるのです。

このサイトカインの働きによって体内のウィルスは排除され、やがて病気が治ります。

しかし、特殊な条件下ではこの反応が強くなりすぎて、人体にとって有害な結果をもたらすことがあります。
インフルエンザ脳症の原因は、そのような特殊な状態ではないかと言われています。

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血管の細胞が炎症性サイトカインの影響を受けると、血管を透して血液中の水分や成分が血管の外に漏れやすくなります。
これが、『腫れた』状態が生じます。

脳の血管がこの状態になれば、脳自体が腫れてしまうことになります(脳浮腫)。

脳だけでなく、肝臓など全身の臓器に影響を与える場合があります。

このような“特殊な状況”が起きる原因についてはまだ分からない点が多くあります。

ただ、発症の傾向から、日本人、東南アジア人の乳幼児で起こりやすいことが分かっています。

また、ジクロフェナクトリウムやメフェナム酸といった種類の解熱剤を服用するとインフルエンザ脳症の死亡率が上がることが分かって
きました。
これらの薬剤は、障害を受けた全身の細胞が回復に向かうのを邪魔するのではないかと言われています。

インフルエンザ脳症が疑われる時の対応について

インフルエンザ脳症は亡くなってしまうことがあり、たとえ治癒したとしても25%の子供に後遺症が残ると言われます。
そのため、できるだけ早く診断し治療を始めることが大切です。

インフルエンザ脳症の症状には、けいれん意識障害、異常行動などがあります。
一つずつ説明していきます。

けいれん
筋肉のこわばりや、ガクガクとした激しい動きが見られます。数分くらいの短いものから、数十分続くものまで様々です。
何回も繰り返すこともあります。

意識障害
呼びかけに応じない状態です。痛みなどで刺激しても反応しません。
なんとなくボーっとしたり、ウトウトするときは軽い意識障害の場合があります。

異常行動
よくある例として、動物やアニメのキャラクターがやってくるなどの幻視・幻覚を中心とした意味不明の発言や、全く意味不明の
言葉をしゃべったり、理由もなくひどくおびえたりなど様々です。
自分の手を食べ物と間違えてかじったりすることもあります。

インフルエンザ脳症では、以上のような症状が熱が上がってすぐに出現することが多いです。

ですので、発熱した後すぐにけいれん、意識障害、異常行動が起きたときは、インフルエンザ脳症のはじまりの可能性があります

このような症状が出た場合、少し落ち着いて考えるべきなのは、『熱性けいれん』というものがあることです。

お子さんが高熱を出した時に経験されているお母さんも多いのではないでしょうか?
熱性けいれんは6歳以下の小児の5~8%に起きる病気で、良性で後遺症も残りません。

普通の熱性けいれんであれば、左右対称のけいれん、5分以内に収まる、けいれんは1回のみ、けいれんのあとすぐに意識が戻るという
特徴があります。

『要注意』のときはどんな時かというと、

・けいれんがとまったのに意識がしっかり戻らないとき
・20分以上けいれんが続くとき
・けいれんの前後に異常な言動があったとき

このような時はすぐに病院に相談し、医師の指示に従ってください。

まとめ

熱性けいれんとインフルエンザ脳症により引き起こされるけいれんを鑑別するのは、専門家であってもすぐに判断するのは難しいと言われています。

医師などにかかるときには、家族の感染状況、周りのインフルエンザ流行状況、子供のけいれんの頻度や時間、異常言動などについてできるだけ詳しく説明するようにしましょう。

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